パネルヒーター 床暖房 ボイラー取替えの時の注意する点
暖房ボイラー・給湯ボイラー・ヘッダーを取替え一新しました。
メールでのお問合せでは、「 暖房ボイラーが古くなったのでとりかえたい 」 との見積り依頼で、現場へとお伺いしました。
暖房工事の現場調査はこの仕事を進める上で最も重要で、千差万別な施工方法を確認するためでもあります。
今の暖房ボイラーは横に長いため、写真のような設置場所さえない場合は、状況が変わります。
新しいボイラーは横長に設置し、正面にメンテナンススペースがあります。
このようなボイラーを設置するためには、見積り金額は上がりますが、隣にある給湯ボイラーを移設するしかなく、それに伴って付随する配管も切り回しが必要になります。
加えて、系統バルブが右の写真のように ゲート弁を使っているのはいただけません。
温水暖房の循環水は不凍液を使っていますが、成分は ”プロピレングリコール”
(融雪の場合は違う成分の不凍液)つまりは、添加剤が入ったオイルみたいなものですが、ゲート弁にはハンドル下部にゴム製の止水Oリングがあり、オイルには弱い性質があります。 通常温水暖房には使いません。
今回の現場調査から
- 暖房ボイラーを取替える。
- 隣にある給湯ボイラーは、床置きから壁掛け式にする。
- 床下のヘッダーまわりのゲート弁からボール弁に切替える。
- ボイラーの上にある膨張タンクは床下に収納する。
- 不凍液を全量入れ替える。
以上のことを提案させて頂きました。
これにより、これからK様邸の暖房システムは7年ごとのメンテナンスサイクルで管理することができます。
- 7年目=不凍液全量交換
- 14年目=ボイラーと不凍液の入替
このサイクルの最大のメリットは、資金面で計画性ができるということと、心の準備ができます。
14年で取替え? は早いんじゃないかと思わる方もいるかもしれませんが、そもそも燃焼機器であるボイラーの設計耐用年数は《 10年 》です。それ以降使われても、メーカーからは部品が出ません。 そして、何より、火災のリスクが大きくなります。
施工状況です。
床下ヘッダー(各放熱器:パネルヒーターや床暖房など:へ送られる往復の配管の合流部)を取替えて、バルブはボールバルブです。 このバルブをつけることにより、個別に流量調整ができます。
〇で囲っているのは、床暖用の制御弁です。 温水返り管が設定温度に達すれば自動的にバルブが閉じて、温水がストップします。 床暖を使っているシステムには必須なバルブです。
暖房管に保温を施すのも必要な工事です。 放熱器まで温水が届くまでの熱のロスを防ぐためです。特に自社では、メイン管には2層の保温を施し、できるだけボイラーから出た温水温度のまま パネルヒーターや床暖房まで届くようにしています。
新しい暖房ボイラーと給湯ボイラーです。
まだ、未完成で接続していない写真ですが、ボイラーの配置はこのようにしました。
こんなにスペースが余るのかと言われそうですが、これでメンテナンスもしやすくなります。 それと、次回ボイラーを取替える際にも、格段に作業しやすくなりました。
給湯ボイラーは架け替えれば終わりですし、暖房ボイラーは、配管の切り回しが今後必要ないように配管します。 次回不凍液を全量交換する時に、この場で注入作業ができるように、給水管から分岐しコックを新設し水を確保しました。
完成です。